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HIV感染の行為別感染確率をご紹介します。
HIV感染は怖いですが、HIVと言うウイルスはそれほど感染力は強くありません。
梅毒やクラミジアなど他の性感染症と比べてもかなり感染しにくいと言えます。
ただ、それはあくまで確率論であって、感染した人にとっては100%だし、感染した結果は他の性感染症より重大です。
従って、感染確率が低いからと感染予防を怠るのは非常に危険です。
かつての私が極度のHIV感染恐怖症になったように、予防しなかったことを後悔しても追いつきません。
HIVの行為別感染確率
HIV感染の行為別感染確率には様々なデータがあり、数値にも多少差があります。
ここでは厚生労働省エイズ対策研究事業で運営する、『HIV相談マップ』のデータを紹介します。
だいたいの傾向はどのデータも同じなので、感染確率の傾向を知るデータとしてご覧下さい。
【行為別１回当たりの感染確率（コンドームなしの場合）】
| 感染リスク | 感染の可能性 |
| 輸血 | 90％ |
| 静脈注射ドラッグ使用時の針の共有 | 0.67％ |
| アナルセックス（受け入れ側） | 0.5％ |
| 針刺し事故 | 0.3％ |
| 膣を使ったセックス（女性側） | 0.1％ |
| アナルセックス（挿入側） | 0.067％ |
| 膣を使ったセックス（男性側） | 0.05％ |
| フェラチオ(受け入れ側） | 0.01％ |
| フェラチオ(挿入側) | 0.005％ |
＊厚生労働省エイズ対策研究事業『HIV相談マップ』より
表はHIV感染確率の高い方から順に並べたものです。
このデータから特にあなたに知って欲しいのは次の２点です。
●性行為感染ではアナルセックスの受け入れ側が最も感染リスクが高い。
●感染確率は低いが、オーラルセックスでもHIVは感染する。
・
アナルセックスはなぜ感染確率が高い？
アナルセックスで感染確率が高い理由はいくつかあります。
●避妊の必要がないことからコンドームを使わないことが多い。
●アナルセックスでは小さな傷がついたり出血が起きやすく、HIVが感染しやすい。
この２つが大きな理由とされています。
後で詳しく解説しますが、HIV感染の最大感染ルートは、男性同士の性的接触となっています。
これはアナルセックスが多い為です。
HIV感染確率の意味は？
あるHIV陽性者のブログがあります。
この中でサイト運営者さんはこう言っています。
「HIVに感染する確率は感染した人間からしたら何の意味もない事です。
どんなに確率が低い行為であっても、感染してしまった人にとっては100%ですから。」
この言葉、ずしんと胸に響きます。
また、ある医師のブログではたった1回のオーラルセックスによってHIVに感染した例が載っていました。
何と言う不運でしょうか。極めて確率の低いHIV感染なのに。
この例はどんなに確率が低くても、可能性がゼロでない以上起こり得るということを示しています。
あなたは行為別の感染確率などによらず、HIV感染の不安があれば検査を受けて下さい。
エイズ発症前の早期HIV検査は救命的検査となります。
男性の同性間性的接触が最大感染ルートなわけ
エイズ動向委員会の年報によると、2021年の新規HIV感染者、新規エイズ患者の感染ルートは次のグラフの通りです。
新規HIV感染者と新規エイズ患者の感染ルート
【新規HIV感染者の感染ルート】
同性間の性的接触が71.6%で圧倒的に多いのですが、全て男性同士です。
女性同士の性的接触による感染は報告されていません。
ただし、同性間の性的接触は異性間経験者も含みます。
【新規エイズ患者の感染ルート】
新規エイズ患者についても同性間の性的接触が51.4%と多く、こちらも全て男性です。
男性の同性間性的接触が最大感染ルートの理由
男性の同性間性的接触が最大感染ルートになっている理由は、先に紹介したHIVの感染確率に拠ります。
ズバリ、コンドームなしのアナルセックスは感染確率が高いのです。
●男性同士だと避妊の必要がないのでコンドームを使用しないことが多い。
●アナルセックスでは小さな傷がついたり出血が起きやすく、HIVが感染しやすい。
この結果が感染ルートの比率に現れています。
男性だから、同性愛者だからHIV感染が多い訳ではない
1980年代、初めてアメリカでエイズがニュースになった頃、エイズは「男性の同性愛者の病気」とされていました。
従って、女性や同性愛者以外の男性には関係ない病気のように思われていたのです。
しかし、すぐにそれは誤解であり誰もが感染する病気であることが判明しました。
男性の同性愛者にHIV感染が多いのは、コンドームを使わないアナルセックスが原因なのであって、男性だから、同性愛者だから、と言う訳ではありません。
異性間のセックスでも、コンドームなしでアナルセックスを繰り返せば感染確率は高くなります。
同性間のセックスでもコンドームを使用すればかなりの確率で感染予防できます。
まとめ
行為別のHIV感染確率を紹介しました。
同時に、男性同士の性的接触でHIV感染が多い理由も紹介しました。
今回紹介した感染確率はコンドームの使用梨の場合です。
コンドームを使えばかなりの予防効果が期待できます。
ただ、要注意なのは本文でも紹介した通り、HIVはオーラルセックスでも感染します。
非常に感染確率は低いのですが、これもゼロでない以上無視はできません。
怪しいセックスは避けることが一番ですが、不安なら迷わずHIV検査を受けてください。
無料、匿名でHIV検査が受けられる保健所が一番のおすすめです。
でも、人目が気になるとか、近所にないとか、どうしても保健所に行けない人は自宅で使える郵送式のHIV検査キットがあります。
早期のHIV検査はエイズ発症を防ぐ、救命的検査であることを覚えておいてください。
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