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梅毒はHIVと並んで性感染症の中では全数報告が義務付けられた性感染症です。
昭和42年には11,755人だった感染者も、平成7年には530人まで減りました。
そこから平成24年まで感染者は1,000人以下だったのですが、翌25年に1,000人を超えると増加の一途をたどります。
平成30年には7,000人を超え、いったんは減少した感染者も令和3年には7,873人、そして令和4年には1万人を超えそうな勢いです。
なぜ梅毒感染者がここまで急増しているのか、専門家の見解は色々出ていますが、重要なことはあなたご自身の予防と検査です。
梅毒はかつては不治の病で命を落とす人も大勢いました。
しかし、今では早期発見、早期治療で治る病気です。
ただ、無症候感染者も多く、自分の感染に気付かないまま進行してしまう人も多いのです。
あなたに梅毒感染の心当たりや不安があるなら、迷わず検査を受けてください。
皮膚科や泌尿器科、婦人科へ行くのは人目が気になって嫌だと思うなら、郵送式の検査キットを利用する方法もあります。
梅毒はどんな病気?
梅毒はかつて有効な治療法がなかった時代、感染から数年、数十年を経て心臓や神経にまで感染が及び、合併症によって命を落とす恐ろしい病気でした。
しかし、1940年代になってペニシリン系の抗生物質による治療が始まると、命まで落とす人は激減しました。
ただ、冒頭にも書いたように、近年急激に梅毒感染者が増えており、医療関係者が強く警告しています。
梅毒は感染しても症状が出たり消えたりを繰り返す為、自分の感染に気付かず二次感染を広めてしまいます。
妊婦が梅毒に感染すると、死産、早産、新生児死亡、奇形が起こることがあります(先天梅毒)。
更に梅毒はHIVとの重複感染が最も多い性感染症であり、梅毒に感染しているとHIV感染のリスクが何倍も高くなります。
梅毒は怖い性感染症ではありますが、早期に発見できて、医師の指示通りに治療を受ければ治る病気です。
病原菌は?
梅毒の病原菌はトレポネーマ・パリズム(梅毒トレポネーマ)と言う細菌の一種です。
1905年に発見されたそうです。
直径0.1~0.2µm(マイクロメートル)、長さ6~20µm、巻き数6~14です。
➡写真はこちら(相当気色悪いです。閲覧要注意)
感染ルートは?
梅毒の感染ルートには、性行為感染、母子感染、血液感染の3つがあります。
●性行為感染
梅毒はコンドームを着用しても完全には感染予防できません。
男性の性器のつけ根や、女性の外陰部など、コンドームでカバー出来ない部位にも病変が発生するためです。
また、オーラルセックス、アナルセックスでも感染します。
●母子感染
梅毒に感染したまま妊娠したり、妊娠の初期に梅毒に感染した場合、そのまま治療を受けずに出産すると赤ちゃんに感染して死亡、もしくは早産、流産と なることがあります。
母子感染の感染確率は約40%と言われています。
また、妊娠の後期に梅毒に感染して出産した場合には、先天梅毒児となり、乳児期や幼児期になってから梅毒の第二期症状が出ます。
あるいは学童以降に様々な症状が出ることもあります。
従って、妊娠した場合には必ず妊婦診断で梅毒検査を受けること、また妊娠中に梅毒に感染しないように注意することが大事です。
●血液感染
梅毒トレポネーマに汚染された血液が輸血されて感染しするものです。
現在の日本の医療環境ではほとんど見られません。
日本赤十字では、献血の時HIVやウイルス性肝炎と同時に、梅毒検査も行っています。
梅毒に感染していると、HIVの感染リスクが高くなる
私が保健所にHIV検査を受けに行ったときもらった予防マニュアルには、
「HIVと重複感染が最も多い性感染症は梅毒」
と書いてありました。
そして、
「梅毒とHIVが重複感染すると、梅毒の進行が早くなったり、重症化したりすることがある」
とも書かれていました。
確かにどの医療サイトを見ても、梅毒に感染していると、HIV感染のリスクが高くなると書かれています。
特に性器に潰瘍ができると、そこからHIVが感染しやすくなり、感染リスクは数倍から数十倍にも高まるそうです。
また、HIVと梅毒を重複感染した場合、梅毒の進行が早まることも書かれてあります。
例えば、梅毒感染の早期に神経梅毒まで進行する例も見られるそうです。(国立感染症研究所)
このように梅毒とHIVは非常に密接に関係し合っており、もしもあなたがHIVが心配、あるいは梅毒が心配、と言うときにはHIVと梅毒の両方を検査しておいた方が安全です。
梅毒感染者の動向
厚生労働省がネットで公開している、「性感染症報告数」からデータをグラフ化してみました。
梅毒は5類感染症で、医師は梅毒感染者を全数、都道府県知事に7日以内に届け出ることになっています。
【梅毒感染者の全数報告件数】
*「感染症発生動向調査」のデータからグラフ化
グラフをご覧頂いて一目瞭然、梅毒感染者は増え続けています。それも急増と言えるペースです。
R1年、R2年はいったん減少したものの、R3年には再び急増して7,873人、更にR4年は1万人を超える勢いで感染者が増え続けています。
【梅毒感染者 男女別・年齢別感染件数】
*「感染症発生動向調査」のデータからグラフ化
20代男性に梅毒感染者が多いのですが、全体的に男女とも幅広い年齢層で感染者がいます。
0歳~4歳にも感染者がいるのは母子感染による先天梅毒です。
とにかく、このグラフから分かるのは、梅毒は若い人だけ、男性だけの性感染症ではない、と言うことです。
梅毒の症状
梅毒は発症と潜伏を繰り返し、症状は第1期から第4期まであります。
たいていは第2期までに感染に気が付き治療を受けることで治ります。
しかし、感染を放置して第4期まで進行すると生命にかかわる深刻な状況となります。
かつては梅毒感染による死者が何千人もいたのです。
第1期(感染から3週間後)
感染後、2週間から3週間後に発症します。
太股のリンパ節が腫れますが、痛みはありません。
女性の場合には外陰部にしこりが出来ることもあります。
感染した性器、口の周り、肛門、手、指などの皮膚や粘膜に小豆から大豆くらいの大きさのしこりが出来ます。
しこりはやがてただれて潰瘍になります。
これを硬性下疳(こうせいげかん)と呼びます。
これらの症状は放置しているとやがて消えます。
しかし治った訳ではなく、第1期から第2期へ向かう潜伏期に入ります。
第1期では自分が梅毒に感染していると気付かず、病院に行かない人も多くいます。
第2期(感染後数ヶ月)
全身のリンパ節が腫れ、発熱や頭痛、全身の倦怠感といった症状が出ます。
また、全身にバラ疹と呼ばれる梅毒特有の赤い発疹が出ます。この発疹にはかゆみがないのも特徴です。
バラ疹が消えて数ヶ月すると、盛り上がった湿疹や膿(うみ)をもつ湿疹が、出たり消えたりを繰り返します。
最後には、それが陰部や口の中、乳房など、特定の場所にだけ現れるようになります。
たいていの感染者はこの第2期で病院へ行きます。
第3期(感染後3年以上)
全身にゴム腫と呼ばれる柔らかいしこりが出来ます。
放っておけばゴム腫は治りますが、後が残ります。
ゴム腫は出ては消えて後を残していくので、見た目にひどい状態になっていきます。
第4期(感染末期)
感染から10年が過ぎた頃の時期です。
脳や脊髄が冒され、手足のしびれ、痴呆症状、大動脈瘤などが出ます。
また、あらゆる内臓、心臓や血管系、中枢神経も冒されます。
日常生活は出来なくなり、最後には死に至ります。
たいていの梅毒感染者は第2期までに治療を受け、第3期、第4期まで進行することはまれです。
梅毒は感染後の第1期、第2期が最も感染力の強い時期です。
この時期に梅毒感染に気付かず性行為を繰り返していると二次感染を起こす可能性大です。
この意味からも早期の検査が大事です。
梅毒の検査方法
梅毒検査には大きく分けて、血清反応検査とTP検出検査の2つの方法があります。
血清反応検査
血液検査によって梅毒感染を調べる方法です。梅毒感染から6週間以上経過すれば検査可能です。
よく使われる方法として次の2種類があります。
①梅毒トレポネーマ(TP)抗体検査
CLEIA法によって梅毒トレポネーマに対する抗体を検出して感染を調べます。
特異度が高いと言うメリットのある検査方法ですが、過去に梅毒に感染して抗体が残っていると、完治していても陽性となってしまうデメリットもあります。
②脂質抗体検査
梅毒があなたに感染すると、梅毒トレポネーマ(TP)があなたの細胞を破壊し、細胞の中からカルジオリピンと呼ばれるリン脂質が出てきます。
このカルジオリピンに対する抗体がカルジオリピン抗体です。
これをSTS法によって検査します。STS法にはRPRカード法などいくつかの方法があります。
STS法は梅毒感染の初期でも精度の高い検査ができること、検査結果がTPによる炎症の程度を反映するため、治療の効果確認に利用できるなどのメリットがあります。
反面、妊娠、膠原病、慢性肝炎、肺結核などでも陽性反応が出ることがあり、擬陽性のデメリットもあります。
TP検出検査
病原体である梅毒トレポネーマ(TP)そのものを見つける検査です。
皮膚や粘膜の病変患部から検体を採取し、PCR法などの核酸増幅法で検査します。
この方法は検体採取が難しい上に検出精度が良くないことから、あまり使われません。
梅毒の治療方法
「性感染症 診断・治療ガイドライン」(日本性感染症学会)などで調べた梅毒の治療法を紹介します。
どの病院へ行く?
●男性
性感染症科(性病科)・泌尿器科・皮膚科
●女性
婦人科(産婦人科)・性感染症科(性病科)・皮膚科
使用する薬
梅毒の治療にはペニシリンが使われます。
推奨されるペニシリン系の抗生物質は以下の通りです。
●バイシリンG 1 日 40万単位×3回 内服
●アモキシシリン1日 500mg×3回 内服
もしも患者にペニシリン・アレルギーがある場合には以下のようになります。
●塩酸ミノサイクリン(ミノマイシン) 1日 100mg☓2回 内服
ただし、患者が妊婦の場合は以下です。
●アセチルスピラマイシン 1日 200mg☓6回 内服
また、神経梅毒・先天梅毒の場合は以下を使います。
●ベンジルペニシリンカリウム(結晶ペニシリンGカリウム)
1日 200~400万単位☓6回 点滴(10日~2週間)
投与期間の目安は感染の進み具合で次にように異なります。
●第一期での治療・・・・2週間から4週間
●第二期での治療・・・・4週間から8週間
●第三期以降の治療・・・8週間から12週間
以上のように、早期に発見されるほど、治療期間は短くてすみます。
また、感染時期が不明な場合には8週間から12週間の治療とします。
治療の注意点
医師の指示を最後まで守ることが大事です。
症状がなくなったからといって、勝手に薬を止めたり、治療を止めると再発することがあります。
梅毒検査におすすめの郵送式検査キット
すでに何らかの症状が出ている場合は病院へ行ってください。
無症候だけど梅毒感染が不安な時は郵送式検査キットを利用する方法もありです。
その場合は、ぜひHIV、B型肝炎といった重複感染の多い性感染症も同時に検査されることをおすすめします。
STDチェッカー タイプO (男女共通)
【男女共通】
・
●いずれも早期発見、早期治療が何より大事な性感染症ばかりです。発見が遅れると重篤な症状になるリスクが高いです。
STDチェッカー タイプE (男性用・女性用)
【男性用】
【女性用】
・
●5項目をまとめて検査できます。検査費用、時間と手間を節約できます。